平成16年度は下記の2点を研究計画として設定し、実施した。 1.すでに試作の終わっている「スーツケース総合学習教材」(カレーキット)の改善と教材群の補充、及び新たなスーツケース教材の開発と実践。 2.国際理解のためのアウトリーチ教材の先駆的開発を行っているヨーロッパの民族系博物館を調査し、教材開発とそれを用いた博学連携の教育活動について示唆を得る。 1.については、(財)神奈川県国際交流協会及び地球市民かながわプラザ内の国際理解展示室と連携して以前に試作した、カレーを素材に世界の食文化についての理解を深めるスーツケース教材「カレーキット」を改善し、教材の充実を図るとともに、それを使用するための「解説書」(教師用手引き)を作成した。また、研究代表者が代表を務める多文化社会米国理解教育研究会及び(独)国立民族学博物館と連携して、多文化社会アメリカを理解するための新しいスーツケース教材「マルカルトランク」の開発を行い、研究協力者によってそれを用いた実践を行い、その成果を報告した。 2.については、アウトリーチ教材の開発やさまざまな教育活動を行っているオランダのライデン民族学博物館、アムステルダム熱帯博物館、ハーグ市立教育博物館等を訪問し、アウトリーチ教材の開発と博学連携の試み等について調査を行い、その成果を1.のスーツケース教材の開発に役立てた。
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