研究課題/領域番号 |
15530609
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
下田 好行 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (70196559)
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研究分担者 |
高浦 勝義 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 部長 (40110093)
松尾 知明 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 主任研究官 (80320993)
有本 昌弘 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (80193093)
生野 桂子 鹿児島大学, 教授 (10315385)
生野 金三 西南学院大学, 教授 (10187510)
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キーワード | 内的必然性 / 学習意欲 / 授業リフレクション / 総合的な学習 / 授業分析 / 振り返り / 内的必要性 / 内的関係性 |
研究概要 |
総合的な学習の中で、児童生徒にどのような学力が育っているかが確認されてこなかったのは、ひとつに総合的な学習の授業自体を教師がどのように評価したらよいかという授業研究の手法が未だ開発されていない点にも原因がある。総合的な学習は従来の教科の授業とは違い、児童生徒の活動主体の授業であり、比較的長期で継続的な単元展開を組む。このようなスタイルの授業に対して、児童生徒の認識の深まりを追えるような授業研究の手法が開発されていないのである。このような問いに対して、筆者は教師の授業に対する「振り返り」が重要であり、その「振り返り」を授業研究の手法に込めたことが重要であると考えている。この教師の「振り返り」の方法は、「授業リフレクション」という授業研究方法が参考になる。そこで筆者は、総合的な学習に適した授業研究方法として、「授業リフレクション」をとりあげ、その枠組みの開発を行うことにした。そして、できあがった枠組みを使用して、実際に総合的な学習の「授業リフレクション」を行い、その有効性と課題について追究した。この研究は主として、平成15年度に行った。 今回の研究では、信州大学大学院(A小学校教諭)の百瀬光一の協力を得た。百瀬は現在総合的な学習と他教科・他領域との関連的指導を研究している。したがって百瀬の授業は、単元の時間数も多く、活動が主体な学習のため、今回の研究の趣旨である総合的な学習に適した授業分析の枠組みの研究にふさわしいものである。百瀬は「思いやりと支え合い」をテーマに総合的な学習を実施している。今回の授業リフレクションでは、児童の認識の深まり、内面的変化に焦点をあてて行うことにした。対象とする児童は担任が特に気にかかる児童、C子を中心に行うことにした。このC子を中心にプロセスレコードを作成し、授業リフレクションを行った。下田は百瀬との授業リフレクションは4回(10月21・31日、11月28日、12月28日、1月7日)行った。10月31日には授業参観も行った。 C子を中心とした授業リフレクションから得た情報をもとに、授業リフレクションの有効性を考察した。有効性として、「児童の内面の変化とその心理的脈絡が理解できた。」「児童に対する教師の見方が変わった。」「授業リフレクションから得た情報をもとに、今後の指導・支援のあり方を導き出すことができた。」
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