「目的(1)軽度発達障害児をとりまく社会的環境について実態調査する」に関して:の軽度発達障害児が在籍する通常学級の担任教師による支援(学習支援・行動支援・情緒支援・他者との関係づくり支援)について、通常学級の担任教師186名を対象に調査を行った。この研究成果は、第13回日本LD学会において発表した。さらに、この調査研究に基づき、その具体的な事例を"周りの子どもにどう伝えよう"という冊子としてまとめた。発達障害児をもつ親への支援のありかたに関する研究については、母親96名を対象として質問紙調査を行った(来年度の学会発表予定)。 「目的(2)軽度発達障害児の自己意識のありかたを検討する」に関して:高機能広汎性発達障害児16名および注意欠陥/多動性障害児24名を対象として検討した。自己意識の発達に伴い、学習面や生活面で特別な教育的支援を要する子どもが他者との違いに疑問を抱き、その疑問にどのように答えるのかという、障害の告知という点から調査を行った。この研究成果は、第13回日本LD学会および第46回日本教育心理学会において発表された。 「目的(3)軽度発達障害児に対する心理臨床的援助、教育支援についてその方法の有効性や変容のプロセスを解明する」に関して:青年期における高機能広汎性発達障害者を対象とした心理劇的ロールプレイにおける自己理解の変容について、グループ面接過程を分析し、その結果を東北大学大学院教育学研究科研究年報にまとめた。アスペルガー障害児との個別面接過程における自己理解や他者との関係性の変化を分析、および診断的理解についての検討、また軽度発達障害児のグループワークにおける他者への志向性の変容過程に関する縦断的な検討を行い、これらについては東北大学大学院教育学研究科教育ネットワーク研究室年報誌上において発表した。
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