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2004 年度 実績報告書

学習障害児の社会的不適応を改善するための学校をベースにした指導法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15530627
研究機関宮崎大学

研究代表者

佐藤 容子  宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (50196284)

キーワード学習障害児 / 社会的不適応 / 仲間受容 / 社会的文脈モデル / 社会的スキル訓練
研究概要

小学校低学年の学習障害児3名と、彼らが在籍する学級の全児童(72名)を対象として、まず、評定法を用いて、学習障害児の仲間受容を測定した。その結果、いずれの学習障害児も、学級の仲間達からの受容度は、学級の平均よりも1.5SD以上低く、社会的不適応の状態にあることが明らかであった。また、自己報告による孤独感尺度や仲間コンピテンス尺度の結果も、学習障害児は仲間達よりも不適応感が強いことが明らかになった。さらに、教師評定用のSSRS-Jを用いて学級の子ども達の社会的スキルを測定したところ、3名の学習障害児は、いずれのカテゴリーにおいても適切な社会的スキル得点は少なく、問題行動得点は高く、不適応的であった。
そこで、これらの学習障害児の社会的不適応の原因としての社会的スキルのまずさに焦点を当て、社会的文脈モデルに基づく社会的スキル訓練を実施した。訓練のターゲットスキルとしては、これらの学習障害児が共通して苦手としていた「適切な働きかけ」と「適切な応答」を選んだ。
まず、学習障害児1人につき、同じ学級で同性の人気児を選んでペアを作った。各々のペアを学級での「仲間リーダー」に任命し、学級の仲間達とは別に、ターゲットスキルの使い方と、これらのスキルを学級の仲間達に教える方法について、6セッションの特別指導を行った。次に、学級集団に対するSSTを3セッション行った。その際、これらの仲間リーダーには、訓練者の助手として教室の前に立たせ、適切なスキルをデモンストレーションさせた。さらに、訓練の効果を定着させるため、自然場面でのSSTを3セッション行った。
その結果、教師評定による学習障害児の社会的スキルと仲間コンピテンスが改善し、それに伴って、仲間による受容が改善した。このことは、文脈論モデルに基づく社会的スキル訓練が低学年の学習障害児にも効果的であったことを示している。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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