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2004 年度 実績報告書

交渉促進規範論の観点から見た救済判決の可能性-継続的消費者契約紛争を例として-

研究課題

研究課題/領域番号 15530637
研究機関神戸大学

研究代表者

山本 顯治  神戸大学, 法学研究科, 教授 (50222378)

キーワード自己決定 / かかわりあい / 契約 / 支援 / 技法
研究概要

本研究は、近時裁判例においても大きな問題となっている「継続的な消費者契約」を取り上げ、裁判所による「救済判決」の理論的、実践的可能性について検討をなすものであるが、本年度は、かかる救済判決を原理的に正当化する法原理の中核をなすものとして、契約当事者の「自己決定原理」にちての考察をなし、その一定の成果を公表することができた。
近時、契約当事者の「自己決定」は、法制度の観点からのみ考察される傾向が強く、自己決定概念の矮小化を招いている。しかし本稿は、継続的な消費者契約の多様性に鑑み、医療契約、介護・福祉契約といった従来の契約法学では周縁的にしか取り扱われていない領域をも射程に置いた現代的な自己決定概念を考察することが必要とするものである。
その際、特に当事者と相手方との関わりあいのなかで継続的に契約関係が形成されてくるケースが多いという現代契約の一つの特色に着眼し、当事者と相手方との関わり合いのなかで継続的に形成される自己決定概念というものをより掘り下げて考察しようとした。その際、自己決定をなそうとする本人にとっての自己決定概念の持つ含意だけではなく、自己決定をなそうとする場に居合わせる相手方の観点が現代的な自己決定原理を考察する上でキーとなることを示した。また、そこでは相手方の自己決定「支援」という考え方が重要であることを明らかとし、その具体化としての「支援の技法」というものを法律学においても取り入れなければならないことを提案した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 非援助の支援と民事法学-法・コンテクスト・技法-『法社会学の可能性-棚瀬孝雄教授還暦記念論文集-』2004

    • 著者名/発表者名
      山本顯治
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      法律文化社(所収)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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