研究分担者 |
斎藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
池畠 優 群馬大学, 工学部, 教授 (90202910)
天野 一男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90137795)
田沼 一実 群馬大学, 工学部, 助教授 (60217156)
桂田 昌紀 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90224485)
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研究概要 |
q-関数の無理数論についての研究を行い,次に述べる成果を得た.第一に,q-関数の特殊値の1次独立性について研究し,これまで知られていた第2種パデ型近似による方法以外に,第1種パデ型近似を使った方法も可能であることを明かにした.これは,G-関数理論において,Chudnovsky兄弟によって証明された有名な結果(LNM 1052,1984)の類似が,ある種のq-関数に対しても成り立つことを示したものであり,方法論の観点からも大変重要な結果である(オウル大学のK.Vaananen氏(研究協力者)およびT.Matala-aho氏との共著論文を準備中).第二に,関数の1次独立性を判定するGalochkin氏の判定法(Moscow Univ.Math.Bull.52,1997)とDuverney,西岡両氏によるMahler型関数の特殊値の超越性についての帰納的方法(Acta Arith.110,2003)とを結び付ける研究を行い,前二者の研究を定量性を伴った形に改良する方法を開発した.これにより,Duverney-西岡の結果で超越性が明らかにされた,関数等式の鎖を満たすMahler型関数の特殊値について,その超越測度を求めることが可能になった.特に,これらの超越数が,Mahlerの分類においてT-数ではないことを証明した(Vaananen氏との共著論文を準備中). 研究代表者は,当該研究費補助金によりフィンランドへの渡航を行った(2004年9月3日〜10月2日).具体的には,オウル大学のVaananen, Matala-aho両氏を訪ね,上記成果につながる研究討論を行った.
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