研究概要 |
複素数体上の次数dの既約平面曲線C上の定数でない有理関数に対して,Cの非特異モデルから射影直線への正則写像が定義される.このような写像の写像度の最小値をCのゴナリティといい,Gで表すことにする.また,Cの特異点の最大重複度をνとするとき,Cを(d,ν)型とよぶ.簡単にわかるように,G≦d-νが成立する.研究代表者酒井は大河内正仁との共同研究において,等号G=d-νが成立するための二つの判定条件を得た(Tokyo J.Math.J.2004).しかし,多くの平面曲線について,等号が成立しないことも事実である.そこで,酒井は証明方法を改良してGの下からの評価式を2種類得ることに成功した.その成果を論文「Lower bounds for the gonality of singular plane curves」としてまとめ,現在投稿中である. 研究代表者酒井はM.Saleemと(d,d-2)型既約平面曲線の分類に取り組み,有理曲線の場合にはクレモナ変換を用いた分類と構成のアルゴリズムに関する論文を発表した(Saitama Math.J.27,2005).現在,正種数の場合の分類結果について論文を準備している段階である.
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