研究概要 |
(1)(関口)平成16年9月に山梨県河口湖町の富士桜荘において,Conference on Nilpotent Orbits and Representation Theory 2004が開催されたが,このコンファレンスの主催者として組織の運営をした.これには海外からD.Z.Djokovicを含め8名の数学者を招待した.また,この機会にD.Z.Djokovic, K.Zhaoと,正方行列に線形群の作用に対する軌道の幾何の共同研究の成果をD.Z.Djokovicが講演した. (2)(関口)半単純対称空間のc-関数の計算をまとめている.特に,普遍被覆空間になる対称空間の場合を詳細に調べた.また,これと関連して,K_ε型の場合のc-関数について少しばかり新しい知見を得た.この場合には関数といっても実際には行列関数とみなすのが自然である.この行列関数を対角化できるかどうかは不明である.SL(n,R)/SO(p,n-p)に場合に対角化できることを証明できた.これらの成果は大島利雄教授との共同研究である. (3)(関口)実射影平面の8直線の配置の分類をE_8型ワイル群W(E_8)と関連づけてパラメトライズすることをこの6,7年にわたって継続して研究している.今年度の成果は,1997年に発表した論文で定式化した予想の一部を肯定的に解決したことである.この論文では,8直線の配置に対して,E_8型ルート系の10個のルートから構成できる集合を対応させた.このような集合を8LC集合と呼んだ.8LC集合の全体LC_8が単純8直線の配置でそれにいくつかの条件を加えたもの全体P_8とがW(E_8)-共変な写像によって1対1になるだろうと予想していた.最近,LC_8からP_8への写像が矛盾なく定義できることを示せた.これを題名が"A remarkable simple eight-line arrangement on the real projective plane"である論文としてまとめている.これは福井哲夫(武庫川女子大学)との共同研究である.
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