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2004 年度 実績報告書

シューア函数を軸にした組合せ論的表現論

研究課題

研究課題/領域番号 15540030
研究機関岡山大学

研究代表者

山田 裕史  岡山大学, 理学部, 教授 (40192794)

研究分担者 吉野 雄二  岡山大学, 理学部, 教授 (00135302)
中村 博昭  岡山大学, 理学部, 教授 (60217883)
平野 康之  岡山大学, 理学部, 助教授 (90144732)
田中 克己  岡山大学, 理学部, 助教授 (60207082)
池田 岳  岡山理科大学, 理学部, 講師 (40309539)
キーワードシューア函数 / 対称群 / アフィンリー環
研究概要

今年度も前年度同様に,表現論に現れるシューア函数,およびその射影的類似物であるシューアのQ函数についてさらに認識を深めた.
具体的には,2被約シューア函数をシューアのQ函数で展開したときの係数についてその性質を詳しく調べることを問題とした.昨年5月に次数が小さい場合に実験的にいくつか計算してみたところ,著しい特徴があることに気がついた.まず登場するすべての係数が非負整数であること,係数をある仕方で行列の形に書いてみると,その行列がいわゆる「強下三角」になっていること,などである.表現論において非負整数が登場すればそれは何らかの「物の個数」を勘定しているのではないかと予想される.大学院生の青影一哉と一緒に更に詳しく調べたところ,我々の係数は「ステンブリッジ係数」と呼ばれているものに一致していることを見出した.ステンブリッジは全く別の文脈からこの係数にたどり着き,その組合せ論的な記述,すなわち「物の個数」としての素性も明らかにしていたのだが,それが2被約シューア函数とQ函数の関係となって姿を現わしたのである.行列をじっと眺めると,対称群の標数2のモジュラー表現で重要な「分解行列」と非常に似ていることに気がつく.具体的には「列基本変形」で互いに移りあうことが予想される.次数が小さい場合の実験的な事実で,まだ証明されていないが,きちんと示されれば対称群のモジュラー表現論に少なからず影響を与えるものと思われる.これに関連して対称群の「カルタン行列」の単因子を与える箇明な公式を見出した.10年以上前にコペンハーゲンのオルソンが公式を発見したが,それは母函数を用いる煩雑なものであった.我々のは,ヤング図形の長さから直ちにわかる直接的なもので,今まで知られていなかったのが不思議なくらい簡単である.ステンブリッジ係数とのより深い関係については現在,大阪教育大学の宇野勝博と共同研究を進めている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Rectangular Schur functions and fermions2004

    • 著者名/発表者名
      池田岳 他
    • 雑誌名

      Proceedings "FPSAC 04" http://www.pims.math.ca/fpsac/Papers/Ikeda.pdf

      ページ: 8

  • [雑誌論文] Rectangular Schur functions and the basic representations of affine Lie algebras

    • 著者名/発表者名
      水川裕司, 山田裕史
    • 雑誌名

      Discrete Mathematics (to appear)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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