研究概要 |
頂点型A_<q,p>(<sl>^^^^_2)および面型B_<q,λ>(<sl>^^^^_2)の楕円量子群の高次の有限次元表現に関連して次の成果を得た. 1.頂点型楕円量子群A_<q,p>(<sl>^^^^_2)の普遍R-行列の3次元表現を2次元表現のR-行列のフュージョンによって構成し,その交差対称性を明らかにした.また,面型楕円量子群B_<q,λ>(<sl>^^^^_2)の普遍R-行列の3次元表現との頂点-面型対応繋絡ベクトルを陽に構成し,その双対ベクトルとの交差対称性に基づく関係を明らかにした. 2.1.での頂点-面型対応繋絡ベクトルとその双対をフュージョンによって高次元表現に拡張した.また,Rosengrenによって導入されたSklyanin代数のテータ関数表現空間の基底ベクトルとの関係を明らかにし,これに基づいて楕円6jシンボルの頂点-面型対応繋絡ベクトルとその双対による新しい表示を導出した.この表示に基づいて,楕円6jシンボルの双直交関係式やフュージョン公式,加法公式,ヤン・バクスター関係式の導出を行った.楕円6jシンボルは一方で,楕円超幾何級数による陽な表式が知られており,本研究で得られた新しい表式は楕円超幾何級数の研究に楕円量子群の表現や可解格子模型による新しい観点を導入したものとしても意義深い. また,1,2の成果および楕円代数U_<q,p>(<sl>^^^^_2)〓B_<q,λ>(<sl>^^^^_2)【cross product】Heisenberg代数の表現論に基づいて,8頂点模型の高スピン拡張模型の相関関数をフュージョンされた面模型のそれに帰着させて計算する方法の定式化をおこなった.(Robert Weston,小島武夫との共同研究,論文を準備中)
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