研究分担者 |
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
庄司 俊明 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
斉藤 義久 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (20294522)
兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
竹内 潔 筑波大学, 数学系, 助教授 (70281160)
|
研究概要 |
1.研究代表者は、非可換スキームとしての量子旗多様体の研究を行い、パラメータが1のベキ根の場合の考察を行った。特に正標数の旗多様体上のD加群と表現の対応に関するBezrukavnikov・Mirkovic・Ryumininの結果の類似を予想として定式化した。これはBackelin・KremnitzerおよびMirkovicによる最近の仕事とは別の方向での研究である。証明にはいくつかの問題点が残されているが、近い将来解決できるものと思われる。また、簡約代数群の部分的旗多様体上の微分作用素環に関するSoergelの結果を拡張し、階数の高いベクトル束に作用する微分作用素環に関する結果を得た。さらに、圏0の中心に関するSoergelの結果を拡張について考え、A型の場合に放物型部分群の局所有限作用を仮定した圏0の類似に対して同様の記述が成り立つことを予想した。 2.分担者の柏原は,基本重みをextremal重みとするアフィン量子群の有限次表現の結晶基底がlevel1の最高重みをもつ既約表現のDemazure加群の結晶基底と同型となることを示した。 3.分担者の有木は,古典型ヘッケ環の表現型がポアンカレ多項式で統制されることを示した. 4.分担者の中島は,インスタントンのモジュライ空間の同変基本類の母関数であるネクラソフの分配関数の展開の第一項がサイバーグ・ウィッテンのプレポテンシャルに等しいことを証明した. 5.分担者の庄司は,有限体上の特殊線形群の既約指標に関するLusztig予想を証明した。またLusztig予想に関連するスカラーを決定した。 6.分担者の兼田は、正標数における旗多様体上のD加群と対応する代数群の表現の対応について考察した。これについては、最近の、柏原・Lauritzen、Bezrukavnikov・Mirkovic・Ryumininの結果により種々の問題があることが判明しているが、Berthelotにより定義されたレベルの高い数論的微分作用素環を用いてある種の導来同値性を定式化し、これを射影空間の場合に証明した。 7.分担者の市野は,齋藤・黒川リフトの対角への制限について考察し、ある種の次数6のL関数に対して特殊値の代数性を証明した。
|