研究課題/領域番号 |
15540049
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
青木 昇 立教大学, 理学部, 教授 (30183130)
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研究分担者 |
大杉 英史 立教大学, 理学部, 講師 (80350289)
藤井 昭雄 立教大学, 理学部, 教授 (50097226)
佐藤 文広 立教大学, 理学部, 教授 (20120884)
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キーワード | 二次形式 / ゼータ関数 / 概均質ベクトル空間 / 保型形式 / Gross予想 / グレブナー基底 / トーリックイデアル / L関数 |
研究概要 |
本研究では、前研究代表者荒川に代わって青木が研究代表者となり、L関数の特殊値に関する研究を行った。 まず、荒川を中心とした研究においては、判別式-dの原始的正定値二元二次形式の類数h(d)と単数群の位数w(d)の比の2乗を係数とするDirichlet級数を考察し2乗の漸近評価を得ることを目指して研究を行った。まず、このDirichlet級数は概均質ベクトル空間(SL(2)×SL(2)×SL(2)×GL(1),M(2)+M(2))の正定値軌道に対応するゼータ関数として捉えられることが示せた。佐藤は、これにより、これらのゼータ関数の解析的性質を概均質ベクトル空間の理論を応用して調べることが可能であることを示した。また、荒川は、重さ3/2の保型形式との関連した考察を行うことにより、正定値の場合にはゼータ関数の関数等式などが概均質ベクトル空間とは独立な方法で得られることを示した。 次に、青木は代数体および有限体上の一変数代数関数体のL関数の特殊値から定義さるシティッケベルガー元に関するGross予想を、ある群環のイデアルについての代数的な考察をすることにより、初等アーベル2-拡大の場合に、ある仮定の下でGross予想を証明することに成功した。また、Gross予想のTateによる精密化も合わせて証明した。現在、Gross予想は一般的には未解決であるが、本研究の成果は、より一般的な予想であるBurns予想の特別な場合を検証したことになる。また、これに関連して、藤井は、Riemannゼータ関数の臨界線上の偏角の変動の平均的挙動の研究を行い、新たに平均値定理を求める事に成功した。更に、大杉は、トーリックイデアルの極小生成系に関連して青木-竹村によって導入されたindispensable binomialについて、グレブナー基底による特徴付けを行った。
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