研究概要 |
研究代表者(青木)は、有理数体上足義された,位数7の有理点を持つ楕円曲線のテイト・シャファレヴィッチ群のキャッセルズ・テイト対の明示的な公式の計算を実行した。また、代数体上定義された虚数乗法を持つアーベル多様体のモーデル・ヴェイユ群の有限位数の点の個数の上からの評価式を,定義体についてのある条件のもとに計算した。これはシルヴァーバーグの評価式を改良するものになっている。更に、暗号理論等へ応用を見込んで、有限体上のフェルマー曲線の商として得られるある種の超楕円曲線が、いつ楕円曲線の積に分解するかを決定した。 佐藤は,pを素数とするとき,p進整数係数の対称行列でレベルpのものによる表現の局所密度を表現される対称行列に関する関数と見なしたときの一次独立性が桂田英典およびSchulze-Pillotによって証明されているが、広中由美子(早稲田大学教授)との共同研究で、彼らの結果をレベルがp-べきの場合に拡張した。得られた結果は、一般のレベルのEisenstein級数に関する基底問題への応用が見込まれる。 藤井は,Riemann zeta関数のゼロ点の分布の特色付けの研究を続けて行った。Farey seriesの分布とRiemann zerosの分布が深く結びついている事は良く知られているが、さらにこの研究を推進した。特に、1980年のFujiiの結果のさらなる一般化を行った。大杉は、compressed polytopeがspecial simplexを持つことと、付随するトーリック環がGorensteinであることは同値であることを証明した。系として、compressedな多面体に付随するGorensteinトーリック環のh列はunimodalであることが分かる。
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