研究分担者 |
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
長瀬 正義 埼玉大学, 理学部, 教授 (30175509)
福井 敏純 埼玉大学, 理学部, 教授 (90218892)
酒井 文雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (40036596)
下川 航也 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60312633)
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研究概要 |
研究実績は以下のとおり. 前年度に引き続き2-ベクトル場を与えたときに自然に定まるLie algebroidについての研究を行った.すなわちπを2-ベクトル場とする.πをT^*MからTMへのバンドル写像と考える.πの像は,Mの接分布を与える(これをDと書く)が,このDが積分可能であり、結果として葉層構造を与えるための条件は、公式π({α,β})=[π(α),π(β)]-1/2[π,π](α,β)により調べることができる.すなわちDが積分可能なのはKer π⊂Ker[π,π].が成り立つときである.スカウテン・ブラケット[π,π]=0のときがMがポアソン多様体であって,このとき、Dはシンプレクティック葉からなる葉層構造であり、T^*Mはよく知られたLie algebroidの構造を持つ. この公式をヒントにして,Ker[π,π]がバンドルであるという状況の下でLie algebroidの構造を持つことは昨年度すでに示した.この結果は,多様体の接バンドルとは限らない一般のLie algebroidから出発して,そのカテゴリーにおける2-ベクトル場の場合にも拡張されることも確認してある.また,さらに閉1次形式でねじったバージョンにまで拡張されることも確認した.具体例としては,Lie groupの左不変ベクトル場を使った構成がわかりやすい. 今年度の主な成果としては、これらの考え方をCourant、Weinsteinが考案したDirac構造の枠組みでとらえられること、それによってこれまでの計算が簡素化され、全体が統一的に取り扱えるようになることを示したことである.以上の結果は以下の題名で発表した. K.Mikami and T.Mizutani : Lie algebroids associated with almost Dirac structure(submitted).
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