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2003 年度 実績報告書

リッチ曲率が平坦な多様体およびそのモジュライ空間の大域的構造

研究課題

研究課題/領域番号 15540062
研究機関東京大学

研究代表者

今野 宏  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20254138)

キーワードhyperkahler多様体 / hyperkahler商 / モーメント写像 / シンプレクティック幾何学 / 微分幾何学
研究概要

Bergerの定理によれば、対称空間でない単連結既約リーマン多様体のホロノミー群は7種類に分類されている。ホロノミー群に応じてリーマン多様体の幾何構造が定まるが、このうち4種類はリッチ曲率が平坦となり、微分幾何学、複素幾何学、数理物理学等さまざまな側面から研究されている。これらのリッチ平坦な幾何構造のモジュライ空間は、局所的には、周期と呼ばれるその幾何構造を特徴付ける平行な微分形式の定めるde Rhamコホモロジー類でパラメーター付けされている。したがって、次の段階として、周期に応じて、特に周期がモジュライ空間の境界に近づいてゆくときに、多様体の形がどのように変化するか、ということに興味が持たれる。
本年度は、上記の4つの幾何構造のひとつであるhyperkahler多様体に対してこれらを考察した。すなわち四元数ベクトル空間のトーラスによるhyperkahler商について、周期がモジュライ空間のある境界に近づいたときに多様体の形がどのように変化するかを詳細に記述した。このhyperkahler商は非コンパクトであるが、ここで得られた記述はhyperkahler構造の最もmildな退化の局所モデルであると考えられ、コンパクトhyperkahler多様体の変形を研究する際に重要な役割を果たすことが期待される。さらにこのhyperkahler多様体の部分空間において、Calabi-Yau構造のある退化と同様の現象を観察した。この部分空間はCalabi-Yau構造を近似していること、それによりCalabi-Yau構造が退化してゆく様子の局所モデルが得られることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroshi Konno: "Variation of toric hyperKahler manifolds"International Journal of Mathematics. 14. 289-311 (2003)

  • [文献書誌] 今野 宏: "hyperkahler多様体とその周辺"「第50回幾何学シンポジウム記録(仮題)」日本評論社. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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