研究概要 |
本年度の研究において、研究目標の多くの目的を実現し、2月初旬よりホームページ(http://amadeus.ics.nara-wu.ac.jp/~ochiai/)上で国内外の研究者に研究成果であるソフトウェアを既に公開している。次年度では本成果を論文にまとめると共にこれらのソフトウェアを利用して結び目理論に関する難問について研究する。 本年度得られた成果は以下の通りである。 1.結び目のn-タングル分解を実現したことにより、これまで計算不能であった多くの交点数をもつ結び目の多項式不変量を計算できるようになった。また、2-タングルの3並行化不変量をヘッケ環の線形表現を利用することなく直接計算可能となった(落合豊行) 2.結び目の3並行化不変量を求めるのに必要なヘッケ環の線形表現をH(q,18)まで完全に求めた。この成果により6-ブレイドの3並行化不変量と4-ブレイドの4並行化不変量を計算できる体制が整った。これにより新たな不変量を発見できる可能性がある(加古冨志雄)。 これらの研究成果は、2004年12月に東工大で開催された「トポロジーとコンピューター」研究集会で発表した。また、本年3月には東大駒場数理化学研究科で開催された本ソフトウェア説明会で外国人研究者を含む研究者に公開された。
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