研究概要 |
1.三次元多様体内の結び目の連結和のトンネル数に関する森元の予想に関する研究. 三次元多様体内の結び目Kのトンネル数をt(K)とかくことにする.いまm-smallな結び目のK_1,【triple bond】,K_nの連結和#^n_<i=1>K_iのトンネル数に関して超加法性が成り立っていないとする.このとき{l,【triple bond】,n}のある部分集合Iで#_<i∈I>K_iがprimitive meridianを許容するようなものが存在する,ことを示した. 2.三次元多様体内の結び目のトンネル数の増加率に関する研究. 三次元多様体Mに含まれる結び目Kに対してそれ自身のコピーの連結和を繰り返し行ったときそのトンネル数と連結和されたコピーの個数の比率を、その結び目のトンネル数の「増加率」と名づけこれに関して以下のような結果を得た. いまKの外部空間のHeegaard種数はMのHeegaard種数よりも大きいとする.このときKのトンネル数の増加率は1より小さい. 3.オートマティック群に関するGerstenの問題の研究 「オートマティック群は(1)有限群(2)Z+Z(階数2の自由アーベル群)を部分群として含む(3)語双曲群のいずれかになるか」Gerstenの問題に取組み「n-starred」というオートマティック構造のクラスをにおいてはこの問題が肯定的に解けることを示した。 4.ザイフェルト多様体のHeegaard gradientについてLackenbyはvirtual Haken予想解決の為の技巧としてHeegaard gradientと呼ばれる概念を導入し三次元双曲多様体がvirtually Hakenであることが,そのHeegaard gradientが消滅することと密接に関連していることを示した.本研究ではこれに関連してザイフェルト多様態について,そのHeegaard gradientがいつ消滅するのかを完全に決定した.
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