研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た. 1.森杉は、Hopf invariantの理論的側面について、Ganea、Boardman, Grayなどの1960年代後半から1970年代の成果を統一的な観点で理解できることを示した。 また、分担者の大嶋、逸見、渡辺らの仕事の側面援助を行った。 2.大嶋は、Lie群Gについて、その連続自己写像全体のhomotopy類のなす群[G, G]の構造を調べた。具体的には、G=SO(4)の時の群[SO(4), SO(4)]を決定し、更に、[SO(4), SO(4)]の中で写像の合成に関して逆元を持つもの全体のなす群を決定した。 また、京大の河野明氏とともに、ほとんどのLie群Gについて、その連続自己写像全体のhomotopy類のなす群[G, G]は可換ではないことを示した。 3.逸見は、A_n空間Xを,そのn-1次射影空間のループ空間ΩP_<n-1>Xに埋め込んだとき,Xの体F係数のA_<n-1>-cohomology class x∈H^*(X;F)とその持ち上げx^^^∈H^*(ΩP_<n-1>X;F)とがどのように関係するかを調べた。また Williamsによって与えられた結合的H-spaceの積の高位ホモトピー可換性の定義を高位ホモトピー結合的H-spaceに対して拡張した.さらにそれを用いて,有限生成コホモロジー環を持つH-spaceに関するmod p torus定理を与えた。 4.渡辺は、コンパクト対称空間H/Kの懸垂からコンパクト対称空間G/Hへの写像であるBott懸垂写像を、Gが非コンパクトな群である複素シンプレクティック群や4n次の実特殊線形群について、構成してみせた。
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