研究課題
戸田一平氏(早稲田大学)との共同研究において以下を示した。古典的結び目を一つ固定したときにその球面への正則射影全体の集合を考える。任意の結び目に対してその球面への正則射影全体の集合は自明結び目のそれに含まれる。また任意の非自明結び目に対してその球面への正則射影全体の集合は三葉結び目のそれに含まれる。このようにして従来最小交点数が5以下の全ての結び目に対してはその球面への正則射影全体の集合の完全な特徴付けがなされていた。最小交点数が6の結び目は鏡像の範囲で6の1、6の2、6の3とスクエア結び目、グラニー結び目と全部で5個ある。これらそれぞれの球面への正則射影全体の集合の決定が最終目標であるが、そのためのステップとして6の1の球面への正則射影全体の集合と6の2の球面への正則射影全体の集合と6の3の球面への正則射影全体の集合の和集合の決定をした。さらに6の2の球面への正則射影全体の集合と6の3の球面への正則射影全体の集合の和集合の決定もした。具体的にはこれらの集合は自明結び目の球面への正則射影全体の集合からある集合を引いた集合になっている。そのある集合は、ある具体的に表示される正則射影の可算集合からツイスティングと連結和を有限回行なって得られる集合として簡明に表示される。この結果により5の1結び目と5の2結び目をともにマイナーとする素な結び目は6の2結び目か6の3結び目の少なくとも一方をマイナーとするであろうという予想が得られた。ここで結び目Jが結び目Kのマイナーであるとは、Jの球面への正則射影全体の集合がKの球面への正則射影全体の集合を含むときをいう。
すべて 2006 2005
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Journal of Knot Theory and its Ramifications Vol.15, No.1
ページ: 31-41
Journal of Knot Theory and its Ramifications Vol.14, No.4
ページ: 523-538