研究分担者 |
村田 実 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50087079)
井口 達雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20294879)
浜名 裕治 熊本大学, 理学部, 教授 (00243923)
半田 賢司 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10238214)
種村 秀樹 千葉大学, 理学部, 教授 (40217162)
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研究概要 |
15年度に2種類の保存量がある格子気体モデルを導入し,そのスペクトル-ギヤップの評価を与えた[An estimate of the spectral gap for zero-range-exclusion dynamics, Osaka Jour.Math.141(no.4)(2004)].このモデルは非勾配系で,しかもスピン値が有界でないため、その流体力学極限の問題を扱う上で様々な技術的困難が起こり,それらを解決することは興味深い問題である.得られたスペクトル-ギヤップの評価は他のモデルで知られているような密度に関する一様性を持たないが,流体力学極限の問題を扱うには十分精密なものであろうとおもわれる.実際,16年度の研究でこの評価に基づいて流体力学極限に対応した平衡揺動の収束とその極限の特徴付けを与えることができた[Equilibrium fluctuations for zero-range-exclusion processes, Jour.Stat.Phys.(2004)].その証明に際し、有限系に対する揺動過程の緊密性を示すための評価が自明でなかったが、時間反転を用いることで問題が解決できた点が特筆される.流体力学極限の問題そのものを示すには,モーメントの一様評価が必要である,これについては部分的結果は得られたが最終的な結論に至っていない.
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