研究分担者 |
浅野 晃 広島大学, 総合科学部, 助教授 (60243987)
飯倉 善和 弘前大学, 理工学部, 教授 (30109897)
江口 真透 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 教授 (10168776)
坂田 年男 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (20117352)
田中 章司郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00197427)
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研究概要 |
本研究の目的は(a)学習理論による分光データの判別手法を,カテゴリの空間分布を利用して改良すること,(b)学習理論による判別手法の選択法,マルコフ確率場のモデル選択法を導出すること,(c)実際の衛星データにより本手法と従来手法とを比較・検討することであった。すなわち統計的手法と学習理論の融合による判別手法を導出することであった。Nishii and Eguchi(2004)でSpatial AdaBoostを提案し,統計手法と学習理論の融合という研究目的を次のように達成した。 Spatial AdaBoostは以下のステップで判別を行う。(1)教師データの各点で各カテゴリの事後確率を求める。(2)ある点における近傍での対数事後確率の平均を計算し、それを判別関数とする。(3)経験リスクの最小化で異なる半径の近傍での平均対数事後確率に対する重みを逐次的に決定する。(4)対数事後確率の重み付き線形和でテストデータを判別する。 提案手法を数値例や実データで検証した結果、高速な判別基準であり、時間を要するマルコフ確率場に基づく判別手法と同程度の性能を持つことがわかった。提案手法は非反復的に画素ラベルを推定できるため高速となる。ただ、指数ロスは誤判別された外れ値に対して大きすぎるロスを与えるため、判別関数に負の係数を与えてしまう場合がある。そこで、ロバストなロス関数に基づくSpatial AdaBoostの研究を進めていて、部分的な解決を見ている。 また画像解析や学習理論に関連する研究として、ロバストなロス関数の提案とその性質、リモートセンシング画像の地形効果補正や幾何補正、モルフォロジーによる画像のテクスチャー解析、文字認識のための画像の回転不変量の導出、を行った。
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