研究概要 |
超空間の位相構造に関して:1975年J. Ginsburgは位相空間Xの超空間F(X)の可算(擬)コンパクト性とXの可算積の可算(擬)コンパクト性との間にいかなる関係があるかとの問題を提出した。本研究ではそれに関し、いくつかの部分解を得た。すなわち(1)Xが等質(homogeneous)空間であれば超空間F(X)が擬コンパクトであればXの任意個数の積空間も擬コンパクトである。 (2)同じくXが等質空間の場合,超空間F(X)が可算コンパクトであればXの可算積も可算コンパクトである。(3)公理MAのもとではXのk固(kは関数濃度より小さい任意の濃度)の積は可算コンパクトであるが超空間は可算コンパクトにならない例が存在する。 また、超空間の連続選択関数の存在による基空間の特徴付けに関しては以下の結果を得ている。 (1)Xが連続選択関数を許容するとき(a)Xが零次元第一可算空間であることと(b)各点pに対しp極大な連続選択関数が存在しかつ各点がG-deltaであることは同値である。(2)Xの点pが孤立点でないとする。そのときpがselection maximal pointとすれば(a)pは第一可算であり、点pが零次元の近傍を持つことと(b)pがcutpointであることが同値である。 (3)Xが連続選択関数を許容するとき、次の(a),(b)は同値である。(a)各点pに対しp極大な連続選択関数が存在することと(b)各点pの近傍基としてwell p-orderableなものが存在する。さらに(4)二点に関する連続選択関数が存在するときそれが三点に関する連続選択関数に拡張できるための十分条件をもとめ、三点に関する連続選択関数は常に四点に関する連続選択関数に拡張できることを示した。
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