研究概要 |
Vietoris位相を導入した超空間に定義されるセレクターの存在、非存在と基空間の位相との関連を調べること。超空間の位相構造を調べることが主たる目的であったが、これに関し得られた主な結果は次のようにまとめられる。 (1)Xの点pを極大にするセレクターが存在すれば点pのcharacterが濃度kであることとXがk=pとなる順序数空間[0,k]をコピーとして持つことは同値である。 このことからコンパクト位相群XではXがセレクターを許容することとXが零次元距離空間であることとは同値であることが導かれる。 (2)Fell位相によるセレクターが存在することとtopologically well-orderabilityは同値である。 また、homogeneous空間に対しては超空間が正則可算コンパクトならばXの可算積も可算コンパクトであることを示しGinsburgの問題に対し部分解をえた。同様の結果は完全正則な擬コンパクト空間についても成立する。 弱セレクターの拡張に関しては次の結果が得られている。 (1)2点以下の超空間の部分空間上でセレクターが存在し、かつ丁度3点からなる集合上でセレクターが存在すれば3点以下の集合上でセレクターが存在する。 (2)3点以下の超空間の部分空間でセレクターが存在すれば常に4点以下でもセレクターが存在する。 (3)第二可算距離空間でtotally disconnectedならば4点以下でセレクターが存在する。 また、従来セレクターが存在する空間は2次元以上では知られていなかったが、次元と弱セレクターの関連では次の結果が得られている。 (1)Totally disconnected, separable metrizable spaceでweak selectionを持つ被覆次元がn次元となる空間を任意のnに対し構成することができる。 (2)Erdos空間は弱セレクターを持つ。
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