研究課題/領域番号 |
15540128
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
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研究分担者 |
八木 厚志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116119)
壁谷 喜継 宮崎大学, 工学部, 助教授 (70252757)
仙葉 隆 宮崎大学, 工学部, 教授 (30196985)
中木 達幸 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50172284)
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キーワード | 反応拡散系 / キネマティック方程式 / 進行波解 / 指数アトラクター / 走化性モデル方程式 |
研究概要 |
1.走化性を持つ生物の個体群密度の時間・空間変化を記述するモデル方程式に関して、増殖項が常微分方程式の意味で単安定系である場合、生物の集合パターンについて考察した.サルモネラ菌等はある環境下でスポットターゲットパターンを作ることが知られている.ウッドワードたちは、実験と数値計算によりこのようなパターンの存在を示した.彼らは安定定数定常解が走化性により不安定化することから、このようなパターンが出現することを説明した.我々の扱うモデルでも同様のパターンが不安定化により存在することを示したが、走化性の効果をより強くすることで、規則的な定常スポットパターンがカオス的な振る舞(スポットの衝突・合体と出現)をすることを示した.これは新しい現象であり、走化性を強くするとき、複数の異なった不安定化が同時に起こることにより出現することが数値計算から予想される. 2.酸化還元反応の1つであるBZ反応において、フィードバックによる興奮性の光制御を用いて、スパイラルパターンが消滅して進行(アイランド)パターンが出現することを、実験及び数値計算によりショーウォルターのグループが示した.そのような進行パターンの存在を理論的に示すために、スパイラルパターンを近似するのに用いられているキネマティック方程式を考察した.特に、この進行パターンの存在条件を光制御のパラメーターを用いて示したことは重要である. 3.ミカイロフらにより、金属触媒による気体分子の反応現象を記述した反応拡散方程式が提唱された.空間1次元、周期境界条件の下でこの方程式が大域解と指数アトラクターを持つことを示した.重要な点は、周期境界条件の下で微分作用素の分数ベキの定義域を特徴付けることである.
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