研究課題/領域番号 |
15540132
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研究機関 | 大阪女子大学 |
研究代表者 |
會澤 成彦 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (70264786)
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研究分担者 |
大内 本夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (70127885)
入江 幸右衛門 大阪女子大学, 理学部, 教授 (40151691)
石原 和夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (90090563)
綿森 葉子 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (70240538)
加藤 希理子 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (00347478)
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キーワード | リー代数の量子化 / ホップ代数 / コヒーレント状態 / 非可換幾何学 / weak Hopf代数 |
研究概要 |
今年度は、リー代数osp(2/1)の量子化と拡張されたボゾン代数の関連について主に調べた。その例として、MacfarlaneとMajidが導入した拡張されたボゾン代数について調べたところ、この代数はosp(2/1)の量子化からbosonizationという方法で得られることが示され、さらにMacfarlane-Majid代数に(ホップ代数として)双対な代数を求めることができた。この代数の応用の可能性について調べるために、物理学でコヒーレント状態と呼ばれている表現を作った。このコヒーレント状態は、量子コンピューターの理論で重要な役割を果たすentanglementを持つことが明らかとなった。現在、この結果についての論文を準備中である。 拡張されたボゾン代数とosp(2/1)の量子化は深い関係があることはMacfarlane-Majid代数の例から予測できる。Osp(2/1)の量子化には3種類あることが知られており、3つめの量子化は最近我々が見つけたものであり、super-Jordaninaと呼ばれている。拡張されたボゾン代数との関連を調べるために、まずsuper-Jordanian osp(2/1)について調べた。Super-Jordanian osp(2/1)に双対なホップ代数を求め、それが作用する非可換な空間を導入し、その空間上での微分幾何を作り上げた。その結果、この非可換空間は物理学に応用するには不都合な性質を持つことが明らかとなった。 また、本研究はホップ代数の枠組みの中でボゾン代数の拡張を論じるものであるが、ホップ代数自身のさらなる拡張であるweak Hopf代数について調べ、sl(n)とosp(2/1)をweak Hopf代数化することが出来ることを示した。Weak Hopf代数という枠組みを使うことにより拡張されたボゾン代数がさらなる拡張を得ることが期待される。
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