研究課題
本年度の成果:我々の研究課題の一部非優対角行列の判定法が完成した。代数方程式Ax=bの係数行列Aが非優対角行列のL行列に対しても、Aの逆行列が非負すなわちM行列となるときに基本反復法が適用できることが知られている。このような行列はH-行列と呼ばれている。そのために与えられた行列の簡単な判定法の開発、研究が盛んである。我々はすべてのH-行列の判定可能な方法として、反復型の判定法を提案した。この方法は非H-行列に対して、過大な反復回数を必要とするために実用的な方法でない。平成11.12年度科学研究課題番号11640144(研究代表者薄井正孝)の助成を受けて、反復型の判定法を改良、大部分のH-行列に対して、2回の反復で判定可能なアルゴリズムを開発した。然し、特定の行列に対して、依然として、数回の反復回数を必要とした。我々は反復過程中の行列の構造を分析して、H-行列に強H-行列と弱H-行列が存在することを示した。同様に、非H-行列にも強非H-行列と弱非H-行列が存在することを明らかにした。この分類を基に新しい判定法を発見した。この判定法で全てのH-行列が、高々2回の反復で判定可能となった。これらの成果を日本応用数理学会論文誌に投稿掲載確定した。我々のこの新しい判定法の発見で、判定法の開発研究は終了したと断言しても過言でない。
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すべて 雑誌論文 (4件)
The Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics 21,1
ページ: 23-34
International Journal Fluid Dynamics 18,1
ページ: 93-99
Journal of Computational and Applied Mathematics 164-165
ページ: 587-600
日本応用数理学会論文誌 (掲載確定)