研究分担者 |
水原 昂廣 山形大学, 理学部, 教授 (80006577)
河村 新蔵 山形大学, 理学部, 教授 (50007176)
仲田 正躬 山形大学, 理学部, 教授 (20007173)
相原 義弘 沼津工業高等専門学校, 助教授 (60175718)
佐藤 圓治 山形大学, 理学部, 教授 (80107177)
|
研究概要 |
有理形写像の値分布論の立場から,代表者の森は分担者の相原との共同研究で,複素空間C^mから複素射影空間P^n(C)への有理形写像に関し複素射影空間内の与えられた超曲面に対する与えられた値の除外値を持つ写像の構成について引き続き研究してきた.前回までで任意の超曲面に対しある程度の範囲の除外指数を持つものを構成できる事が分かった.今回はさらに,その際の写像も代数的に非退化なもので作れる事が分かった.また,構成方法の改良により除外指敷の取りうる範囲もかなり広く出来ることが分かった.ただし,"グリフィス等による除外関係式が最良である"ことを示す結果には至っていない.一方,分担者の相原は,有理形写像が因子の逆像に関するある条件下で写像たちが代数的に従属するための種々の十分条件を写像の増大度に関する条件なしで与えた.分担者の仲田は,リーマン球面上の有理関数の複素力学系におけるジュリア集合の幾何的性質について,とくにユークリッドの合同変換のもとでの不変性とその合同変換の群について考察を行った.分担者の河村は,位相力学系のカオス性の程度が確率密度関数の軌跡の収束性にどのように影響を与えるかについて研究した.その収束性についてはL^1収束と一様収束について研究した.また,関数空間の研究において分担者の佐藤は,ラディアルな関数のフーリエ変換の一般化であるハンケル変換のなす関数空間上のマルチプライヤーについて研究を行い,L^P空間の場合をローレンツ空間の場合に一般化し,類似の結果を得た.分担者の水原は,ハーディ空間の関数について,モーリー関数とブロック関数およびリース・ポテンシャルに関連した弱分解定理を示した.また,その応用として,リース・ポテンシャルとの交換子の,モーリー空間上の有界性について,局所可積分関数がBMO関数であることの必要性を考察した.また,ハーディ空間の関数について,一般化モーリー空間の関数と一般化ブロック(関数)およびカルデロン-ジグモントの特異積分作用素に関連した弱分解定理も考察した.
|