研究課題/領域番号 |
15540152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
曽我 日出夫 茨城大学, 教育学部, 教授 (40125795)
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研究分担者 |
海津 聰 茨城大学, 教育学部, 教授 (80017409)
野崎 英明 茨城大学, 教育学部, 教授 (60208337)
中村 玄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50118535)
伊東 裕也 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30211056)
梅津 健一郎 前橋工科大学, 工学部, 助教授 (00295453)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 弾性方程式 / 波動方程式 / 散乱理論 / 逆問題 / 偏微分方程式 / 双曲型方程式 / エネルギー減衰 / Rayleigh波 |
研究概要 |
本研究の当初の目的は、弾性波動方程式が、(スカラー値の)波動方程式や一般の双曲型方程式系(連立方程式)とは違った固有の世界をもっていることを示すとともにそれが結局何からきているかを数学的に明らかにすること、さらにこの結果をもとにして、弾性波動方程式の個別的なテーマに取り組むことであった。 弾性波動方程式は、スカラー値の波動方程式と形式的にはよく似た形をしているが、係数が行列になっている連立方程式の一種である。しかし、ある種の正値性(楕円性)と対称性をもっており、このことが弾性方程式固有の性質を生み出していることが明らかとなった。具体的な成果として、この楕円性と対称性より、2階スカラー値作用素と同じように、弾性作用素が一階の積に分解できることが示せた。この積分解を使えば、スカラー値のときと同様に、弾性方程式の一意接続定理が得られると期待してかなりの努力したが、証明には至らなかった。この定理の正否は予想以上に微妙な話であることが分かった。 上記の積分解は、一般の双曲型方程式系では期待できないことであり、その意味で、弾性方程式はスカラー値の方程式に近い性質をもっていると言える。その一方で、弾性波動方程式には、スカラー値の方程式では起こり得ないRayleigh波の存在がある。この波の存在が散乱理論にどのような影響があるのかなり総合的に明らかにすることができた。すなわち、Rayleigh波の存在がスカラー値のときにはない複雑さを生じさせるが、Lax-Phillips型の一般的な散乱理論が構成できることを示せた。さらに、Rayleigh波の成分が抽出された形で散乱核の表現式が得られることが示せた。この表現式は、具体的な散乱逆問題を考える上で基礎になるものである。これらは、第10回双曲型問題国際会議(2004年9月13日〜17日)で発表した。 個別的なテーマの研究であるが、波動のエネルギー減衰に関する示唆的な結果を得た。それは、方程式に消散項があると全体のエネルギーは減衰していくが、この消散項が特定方向のみに効いている場合には必ずしも減衰しないことを(一般的な方程式のもとではないが)示すことができた。
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