研究課題/領域番号 |
15540153
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
下村 勝孝 茨城大学, 理学部, 助教授 (00201559)
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研究分担者 |
西尾 昌治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90228156)
鈴木 紀明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50154563)
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
安藤 広 茨城大学, 理学部, 助手 (60292471)
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キーワード | 熱方程式の解を保つ変換 / caloric morphism / Appell変換 / 熱方程式 |
研究概要 |
本研究の目的は、熱方程式の解を保つ(熱方程式の解を再び熱方程式の解に写す)変換を、「変換の形を具体的に決定する」をキーワードにして調べることである。本研究では、動径方向計量多様体の場合に進展があった。得られた新たな知見は次の通りである。 多様体の間の熱方程式の解を保つ変換について、1.リーマン多様体の具体的な場合として、原点を除いたユークリッド空間の動径方向リーマン計量の場合には、次元が3以上ならば平行移動を含む変換が存在する計量は3種類のみであることが分り、その具体的な表示も得られた。これは一般の回転不変なリーマン計量に関する熱方程式を保つ変換を決定する際の重要なステップとなる。 2.半リーマン多様体の具体的な場合として、計量退化集合を除いた半ユークリッド空間の動径方向半リーマン計量に関する熱方程式を保つ変換を調べ、Appell変換の直接の拡張の場合に、形を決定することが出来た。 3.上記1および2で得られた結果で、諸係数をうまく選べばAppell型変換の間には、計量のべき指数によって連続的にパラメータ付けが出来ることが判った。 4.上記2の半ユークリツド空間の動径方向半リーマン計量の場合と、以前に得られているユークリッド空間の動径方向リーマン計量の場合をうまく組み合わせることによって、3次元以上の場合にはユークリッド空間の一般の回転不変なリーマン計量に関する熱方程式を保つ変換を決定できる可能性が高くなった。来年度には最終的な検証が出来る見込みである。
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