研究課題/領域番号 |
15540154
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
池畠 優 群馬大学, 工学部, 教授 (90202910)
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研究分担者 |
齋藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
田沼 一実 群馬大学, 工学部, 助教授 (60217156)
大江 貴司 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (90258210)
天羽 雅昭 群馬大学, 工学部, 助教授 (60201901)
天野 一男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90137795)
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キーワード | 逆問題 / 境界値逆問題 / 逆散乱問題 / Dirichlet-to-Neumann写像 / 介在物 / 障害物 / 亀裂 / 複素幾何光学解 |
研究概要 |
1.均質かつ非等方的な導電率をもつ有限個の板状の物体が一つの方向に層状に重なって構成された物体の中の未知の介在物(あるいは欠陥)の位置および形状の情報を、物体表面上における電場のポテンシャルの値および電流密度分布の無限個の組から抽出する問題を考察した。そのために、導電率が深さ方向に区分的に定数行列である場合における、電場のポテンシャルに対する支配方程式に対する複素幾何光学解を構成し、そのパラメタに関する漸近挙動のleading termを各層ごとに決定した。この挙動と囲い込み法のアイデアを適用し、介在物の位置の情報のDirichlet-to-Neumann写像からの抽出公式を確立した。 2.均質かつ等方的な導電率をもつ有限個の板状の物体が一つの方向に層状に重なって構成された物体の層間に発生した未知の亀裂の位置および形状の情報を、物体表面上における一組の電場のポテンシャルの値および電流密度分布から抽出する問題の2次元版を考察した。1で構成した複素幾何光学解の漸近挙動と囲い込み法のアイデアを使い、亀裂の凸包の抽出公式を確立した。また、固定した入射方向と波数を持つ入射平面波に関する、亀裂の逆散乱問題へ囲い込み法を適用した。その結果、亀裂が音響的に硬い有限個の折れ線からなるという仮定のもとで、亀裂を囲む円周上の反射波のCauchyデータから、亀裂の凸包の抽出公式を確立した。 さらに類似の結果を音響的に硬い有限個の多角形状の障害物に対しても確立した。
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