研究課題
多変数留数カレントの解析において、ネター作用素は極めて重要な役割をはたす。本研究ではこの点に着目し、代数解析の観点から・零次元多様体に台を持つ代数的局所コホモロジー・零次元イデアルに付随したネター作用素・孤立特異点をもつ超曲面に付随するホロノミックな編微分方程式系について、研究した。以下の研究成果を得た。1 零次元多様体に台をもつ代数的局所コホモロジー類に対し、そのコホモロジー類の満たすホロノミックな編微分方程式系を構成するアルゴリズムを導出した。2 零次元準素イデアルに付随するネター作用素の諸性質を明らかにし、ネター作用素を求めるアルゴリズムを構築した。3 次元多様体に台を持つようなホロノミック系に対して、ネター作用素の概念を導入し、これにより台数的局所コホモロジー解を記述する方法を与えた。4 Jacobiの多変数補間積分を解析し、その応用としてGrothendieck双対基底を求めるアルゴリズムを導いた。5 代数解析の観点から、Grothendieck留数を解析した。ネター作用素を用いることで、多変数留数を計算するアルゴリズムを構築した。6 孤立特異点に付随する代数的局所コホモロジー類を研究し、これら代数的局所コホモロジー類を求める方法を与えた。さらにその応用として、スタンダード基底を求める新たな計算法を導いた。7 Innner modalityが4以下であるようなsemi quasi-homogeneous isolated singularityに対し、その特異点に付随するホロノミック系の構造を解析した。ホロノミック系の重複度が、孤立特異点のミルナー数とチュリナ数の差と等しくなることを示した。上記以外として、孤立していない特異点に付随する留数カレントとLeサイクルに関する研究をすすめた。
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Publ.RIMS.Kyoto Univ. 41
ページ: 1-10
Banach Center Publications 65
ページ: 50-56
Seminaires et Congres, Singularitees Franco-Japonaise, Societe Mathematiques de France (印刷中)