研究分担者 |
米谷 文男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10029340)
伊藤 宏 愛媛大学, 工学部, 教授 (90243005)
峯 拓矢 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (90378597)
塚本 千秋 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80155340)
田村 英男 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30022734)
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研究概要 |
研究代表者はポワソン・ランダムな電場のポテンシャルをもつシュレディンガー作用素のスペクトルについて,負の部分が少しでもあるような場合に全直線となることを示した。 米谷は周期領域から垂直接線領域への等角写像の正規化条件の下での一意性を与え,代用電荷法による接線領域への数値等角写像について実験的考察注意を与えている。 伊藤は,電磁ポテンシャルをもつディラック作用素の非相対論的極限をスペクトル集中の立場から研究した。電場ポテンシャルは遠方で増大すると仮定する。磁場がなく電場ポテンシャルが多項式の増大度で増大する場合のVeselicの結果の拡張を試みた。この研究では,電場ポテンシャルの増大度の条件を弱くし,一般的な磁場を入れてもVeselicと同様の結果が成り立つことを証明した。 峯は,2000年に南部陽一郎が特異(ソレノイド)磁場が複数の場合のAharonov-Bohm効果を扱う為,摂動項として定数磁場を付け加えたモデルを考えた。この定数磁場と複数の特異磁場を持つモデルに対して,正準交換関係の摂動の方法により,南部氏の取り扱っていなかったランダウ・ギャップ中の固有値の個数の評価を行い,一般の場合の粗い評価と,特異磁場の間の距離が十分離れている場合の精密な評価の結果を得た。 塚本は,コンパクトなエルミート対称空間上の随伴束のドルボー複体に関するラプラス作用素の固有値を表現論的な手法で計算する方法を解説すると共に,それを複素射影空間上の線束について実行し,更にそれを用いて線束の解析的トーションを計算するに必要な公式を準備し,それにより他の方法で計算されていた解析的トーションを定義通りの仕方で計算することが可能であり,結果が一致することを示した。 田村は,非有界作用素に対して指数積公式が作用素ノルムで収束するという最近の結果を,特異ポテンシャルをもつ場合に,シュレディンガー半群に対して応用し,その積分核の近似公式を得た。またディリクレ・ラプラシアンの熱核についても同様の近似公式を得た。
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