研究課題/領域番号 |
15540169
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
會田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90222455)
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研究分担者 |
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50314399)
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
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キーワード | シュレーディンガー作用素 / 対数ソボレフ不等式 / 弱ポアンカレ不等式 / ラブラスの方法 |
研究概要 |
(1)Poleをもつリーマン多様体上の熱核の評価: 遠方で曲率が早く減衰するpoleをもつリーマン多様体を考える。Elworthy-Trumanの公式を用いて、熱核は上と下から同様な指数の値のガウス型の評価を持つことを示した。また、Elworthy-Trumanの公式を用いて、熱核の対数を取った関数の1階、2階導関数の確率論的表示を得た。この表示の応用として、曲率が早く減衰するリーマン多様体上の始点と終点が固定された道の空間で対数ソボレフ不等式が成立することを示した。 (2)Brownian rough pathの連続関数で決定される領域上での弱ポアンカレ不等式の研究: Cameron-Martin空間上の連続関数FとFが正の値をとる領域Uを考える。Uが連結と仮定する。Fが確率微分方程式の解などのようにBrown rough pathの汎関数として連続のとき、FはWiener空間上の汎関数F^^~に自然に拡張される。U^^~をF^^~の値が正になるような集合とするとU^^~上で弱ポアンカレ不等式が成立することを示した。その証明の中でキーになるのは、「弱ポアンカレ不等式は空間の積をとる操作に関して安定である」と言う結果の拡張である。U^^~上の弱ポアンカレ不等式の結果から単連結リーマン多様体上のループ空間上で弱ポアンカレ不等式が成立することを示す事ができる。 (3)Wiener空間上のシュレーディンガー型作用素の最低固有値の準古典的挙動の研究: この研究に関しては、ポテンシャルがBrownian rough pathの滑らかな関数である場合への拡張、第二固有値とのスペクトルギャップが指数オーダーで小さくなるというトンネル効果の研究が進行中である。
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