研究課題/領域番号 |
15540178
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
楳田 登美男 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20160319)
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研究分担者 |
保城 寿彦 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40211544)
岩崎 千里 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30028261)
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キーワード | 相対論的シュレディンガー作用素 / 一般固有関数 / 擬微分作用素 |
研究概要 |
空間3次元で質量パラメータがゼロの場合に、相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数の無限遠方での漸近挙動をポテンシャルの減衰の速さに応じる形で精密に解明した。そのために、まず、空間3次元の相対論的シュレディンガー作用素で、ポテンシャル項がない場合に、レゾルベント核を精密に計算した。このレゾルベント核は特異性の強いリース・ポテンシャルとマイナス・ラプラシアンのレゾルベント核、および性質の良い積分核の3つから成り立っていることを解明した。相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数の無限遠方での漸近挙動を解析するための道具立てとして、リース・ポテンシャルの定義する関数が有界関数になるための条件と、それに付随する不等式を証明した。極限吸収原理に基づいて導入される関数が相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数になっていることを確認する上で避けて通れない問題であるところの、マイナス・ラプラシアンの平方根の超関数への作用を、特に、重み付きソボレフ空間に属する関数に対して解明した。相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数の、平面波からのズレを表す関数は、ゾンマーフェルドの放射条件を満たすことを示した。また、相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数は空間全体で連続な関数であることも示した。さらに、一般固有関数の、平面波からのズレを表す関数の無限遠方における漸近挙動もポテンシャルの減衰の速さに応じる形で精密に解明した。
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