研究概要 |
シャノンのサンプリング定理は、調和解析学の基本的な定理であると同時に、ディジタル技術など応用上も非常に重要な定理である。この定理の種々の一般化が研究されているが、我々の研究の主目的は群および等質空間上のサンプリング公式を構成しそれを証明することである。本年は熊原、小泉が広島大学名誉教授江口正晃と協力し、ある種のリー群上のサンプリング公式を得た。医療で使われるコンピュータ・トモグラフィー(CTスキャニング)の数学的原理は、平面状のラドン変換から密度関数を再編成するというものである.そのときサンプリングが用いられる。これは一般には近似式で与えられるが、密度関数がよい性質を持てば近似ではなく密度関数そのものが得られる。昨年度得られたリーマン対称空間にたいするサンプリング公式の改良を行うとともに,ユニタリ群及びその等質空間におけるサンプリング公式,さらに一般の複素半単純リー群に対するサンプリング公式を得た。現在投稿準備中である。
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