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2004 年度 実績報告書

無限階擬微分方程式の完全WKB解析

研究課題

研究課題/領域番号 15540190
研究機関近畿大学

研究代表者

青木 貴史  近畿大学, 理工学部, 教授 (80159285)

研究分担者 泉 脩藏  近畿大学, 理工学部, 教授 (80025410)
大野 泰生  近畿大学, 理工学部, 講師 (70330230)
中村 弥生  近畿大学, 理工学部, 講師 (60388494)
山崎 晋  日本大学, 理工学部, 講師 (00349953)
キーワード完全WKB解析 / ストークス曲線 / 変わり点 / 無限階擬微分方程式 / 高階微分方程式 / 接続問題
研究概要

当研究の目的は,無限階擬微分方程式に対して完全WKB解析の基礎理論を確立し,その応用を研究することであるが,これに関して次のような結果を得た.
完全WKB解析において重要な概念にストークス曲線がある.これは形式解である完全WKB解のボレル和が確定する領域の境界を与えるが,通常は「変わり点」から生じる,ある積分曲線として定まる.しかし高階の方程式に対しては,このようなストークス曲線だけでは不十分であることが知られており,ストークス曲線同士の交差点から,場合により新しいストークス曲線を描き入れる必要がある,この新しいストークス曲線を生じさせる源泉として「仮想変わり点」の概念が導入された.本研究では,考えている高階または無限階微分方程式がパラメータを含むとき,パラメータの変化に応じてストークス曲線が作り出す幾何に注目し,ストークス曲線が,関係する変わり点を横切るような状況を考えると,元々のストークス曲線と新しいストークス曲線の役割が入れ替わることを見いだした.即ち,通常,新しいストークス曲線と呼ばれているものがwell-definedな概念ではなく,いわゆる新しいストークス曲線と通常のストークス曲線の間に実質的区別をすべきではなく,「仮想変わり点」も通常の変わり点と同等の重みを持つことを意味する.これは高次元の完全WKB解析においては特に重要な観点である.この結果を今後の研究に繋げてゆきたい.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] On the exact WKB analysis of microdifferential operators of WKB type2004

    • 著者名/発表者名
      T.Aoki, T.Kawai, T.Koike, Y.Takei
    • 雑誌名

      Annales de l'Institut Fourier, Grenoble 54

      ページ: 1393-1421

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The exact steepest descent method-a new steepest descent method based on the exact WKB analysis2004

    • 著者名/発表者名
      T.Aoki, T.Kawai, Y.Takei
    • 雑誌名

      Advanced Studies in Pure Mathematics 42

      ページ: 45-61

  • [雑誌論文] Microlocal boundary value problem for regular-specializable system2004

    • 著者名/発表者名
      S.Yamazaki
    • 雑誌名

      Journal of the Mathematical Society of Japan 56

      ページ: 1109-1129

  • [雑誌論文] On the dual space of the Tjurina algebra attached to a semi quasihomogeneous isolated singularity2004

    • 著者名/発表者名
      S.Tajima, Y.Nakamura
    • 雑誌名

      Banach Center publications 65

      ページ: 261-272

  • [図書] 超函数・FBI変換・無限階擬微分作用素(現代数学の潮流)2004

    • 著者名/発表者名
      青木貴史, 片岡清臣, 山崎 晋
    • 総ページ数
      313
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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