研究概要 |
1.複素双曲空間に作用するユニタリ群PU(1,2;C)の部分群の離散性の判定のための条件を調べた。これはメビウス変換群におけるJorgensenの不等式の複素双曲空間版といえる。 1)メビウス変換群におけるJorgensenの不等式におけるtraceの条件をそのまま拡張することは不可能なのでこれに幾何学的な解釈を加え、斜航型の元を含む場合には複比をCyganmetricを用いて定義し直しこれを用いて2つの元によって生成された群の離散性について考察した。これらの結果とBasmajian-Minerの論文(Discrete subgroups of complex hyperbolic motions, Invent.Math.1311998,85-136)における斜航型の元を含む場合の結果とを、比較した。我々の結果は彼等のStable Basin Theoremを用いた結果を含むことがわかった。 2)境界楕円型の元を含む場合も、斜航型の元を含む場合と同様な結果をcomplex lineを用いて与えた。 3)回転の部分を持つscrew parabolicな元を持つ場合を研究し離散性の判定条件を与えた。 これは以前に求めたHeisenberg translationを含む群の離散性の判定条件の拡張になっている。 また、これを用いてscrew parabolicな元を持つPU(1,2;C)の離散部分群におけるprecisely invariant regionを構成した。上記のBasmajian-Minerの論文の結果との比較も行なった。 2.PU(1,n ; C)の元に対してisometric sphereを一般化したgeneralized isometric sphereを定義しその性質を調べた。これを用いPU(1,n ; C)の離散部分群の基本領域を構成しDirichlet fundamental polyhedronとの関係を調べた。
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