研究課題/領域番号 |
15540202
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石毛 和弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90272020)
|
研究分担者 |
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
小薗 英雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00195728)
服部 哲弥 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180902)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
|
キーワード | 熱方程式 / 最大点挙動 / ディリクレ境界条件 / 外部領域 |
研究概要 |
平成17年度においては、平成16年度に引き続き、球の外部領域における熱方程式の最大点挙動について考察を行った。平成16年度においてはノイマン境界条件下で研究を行ったが、本年度においてはディリクレ境界条件下において研究を行った。ノイマン境界条件の場合とは異なり、最大点は時間が増大するにつれて境界から離れていくことが証明できた。さらに、十分時間が経過すると、熱方程式の解は唯一つの最大点を持ち、滑らかな曲線に沿って運動する。 また、その場合の境界から離れていく速度、その離れていく方向について初期条件を用いて積分量として記述することに成功した。解析手段としては、ノイマン境界条件の場合について成功した方法を応用・発展させることによって得られる。また、これらの研究を通して、解の微分係数の漸近挙動についての情報を得ることの重要性が明らかになり研究を行った。特にノイマン条件下において最適な時間無限大における減衰率を求めることが主たる目的である。このため、正値調和関数を用いることによって比較関数を構成する手法を開発し、さらに解の最大点挙動の研究で用いた方法を用いることによって最適な時間無限大における減衰率を得ることにも成功した。これによって、研究当初、単なる予想でしかなかったノイマン境界条件下における解析を困難にさせていた数学的メカニズムが明らかになった。これらの研究を通して、拡散方程式の解の漸近挙動を調べる上での、広範囲における有益な情報が得られたと考えている。
|