研究分担者 |
高桑 昇一郎 東京都立大学, 理学部, 助教授 (10183435)
竹内 博 四国大学, 経営情報学部, 教授 (20197271)
河合 茂生 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30186043)
内藤 博夫 山口大学, 理学部, 教授 (10127772)
志磨 裕彦 山口大学, 理学部, 教授 (70028182)
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研究概要 |
本研究は,従来から行われてきた,調和写像の理論を用いてリーマン幾何の研究を行う研究形態に対して,n-調和写像(もっと一般にp-調和写像)を用いて共形幾何の研究をおこなうという新しい研究形態を確立することを目標とする.3年計画の第1年度である今年度は,応用面を視野に入れたp-ラプラシアンとp-調和写像の研究,特に,その技術的側面からの研究を行った.p-ラプラシアンについては,p-固有値の評価の研究を行った.具体的には,リッチ曲率が非負の場合のディリクレ固有値問題について,指数pと定義域となる多様体の直径による下からの評価が得られた.この証明では,通常のラプラシアンによるBochner techniqueではなく,指数pに応じて定まるある線形作用素に関するBochner-Weitzenbock型の公式を導き出すことがキーポイントとなっている.平行してp-調和写像についての研究も進められ,試金石となる具体的ないくつかの例や,共形性との関連性を裏付けるような状況が見出されてきている.同時に,共形不変性をもついくつかのテンソル量に関して,Bochner-Weitzenbock型の公式もいくつか計算されているが,p=nのときに特化されるような現象がまだ見出せておらず,現在も計算を継続中である.本研究の第2年度で,具体例をサポートするデータの蓄積と整理を行う予定なので,これと連動してさらに研究が深まることが期待できる.
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