研究課題/領域番号 |
15540219
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大宮 眞弓 同志社大学, 工学部, 教授 (50035698)
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研究分担者 |
近藤 弘一 同志社大学, 工学部, 専任講師 (30314397)
渡邊 芳英 同志社大学, 工学部, 教授 (50127742)
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キーワード | 代数幾何的ポテンシャル / 楕円Calogero系 / 極展開法 / Darboux変換 / 被覆写像 / トーリックイデアル / グレブナー基底 / ウェーブレット解析 |
研究概要 |
2次Lameポテンシャルが、ある種の退化条件を満たす場合に、繰り返しDarboux変換を行って得られた2次Darboux-Lame方程式を、楕円曲線の射影直線上へのある特殊な多重被覆写像で射影直線上のホイン型確定特異点型常微分方程式に変換して、その動く特異点のその被覆写像による引き戻しが、自由度3の楕円Calogero系により記述されることを示し、それを応用して様々な場合に特徴的な厳密解が構成できることを明らかにした。この結果の一部は、7月にオーストラリアのシドニーで開催された「第5回工業および応用数学に関する国際会議(ICIAM2003)」で口頭発表された。また、11月に九州大学応用力学研究所で開催された非線形波動に関する研究集会で発表し、報告集に論文を投稿し受理され、現在印刷中である。また、以前から行なっていた3次元多様体のファイバーリングに関する判定条件を詳しく調べた論文が学会誌に掲載された。また、楕円Calogero系の研究の前段階の研究として、Darboux-Lame方程式のモノドロミーに関する論文を「Abstract and applied analysis」誌に投稿中であったが、受理され初稿も終わり近々出版される予定である。また、2003年度秋にはニューヨーク州立大学のY.P.Mishev博士と3次Darboux-Lame方程式に関する共同研究を約1か月間に渡って行ない、スペクトル判別式の算出にも成功し、上に得られた結果の高次への一般化の道が開けた。 他方、可積分系の基礎理論で重要な役割を担っているトーリックイデアルのグレブナー基底を効果的に計算するアルゴリズムを研究し、それを数式処理システム「Asir」に実装することに成功した。これらの結果の概要は数式処理学会で発表され学会誌に投稿、受理され公刊された。なお、この結果の詳しい解説を学内紀要に投稿、受理され公刊された。 また、楕円ソリトン解のように特異性を有する解の数値解析には、従来の有限差分法やスペクトル法は余り有効でないため、近年多重スケール解析として盛んに研究されているウェーブレット解析を応用する研究を進め、11月に九州大学応用力学研究所で開催された非線形波動に関する研究会で口頭発表し、報告集に論文を投稿し受理され、現在印刷中である。
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