研究分担者 |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
岡 宏枝 (國府 宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90251610)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
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研究概要 |
四ツ谷晶二の主な研究成果は,Y.Lou教授・W.-M.Ni教授と共同のcross-diffusion方程式に関する論文発表,および,小杉博士・森田教授との共同のGinzburg-Landau equationに関する研究(CPAAに掲載決定)である.さらに,松本教授・村井氏と共同で,曲線に関する微分幾何学のひとつの未解決問題に解答を与え,講演発表を行い論文を作成中である.また,柳田教授・森下氏と共同で,松隈方程式の特異解をも含む,すべての正値球対称解の構造を完全に決定し,論文作成中である. Y.Lou教・W.-M.Ni教授との共著論文の内容の説明をする.数理生態学において,1979年にShigesada-Kawasaki-Teramotoによって提案されたcross-diffusion方程式に関する研究である.1996年にLou-Niは,cross-diffusionをあらわすパラメータを無限大にしてたときの極限方程式を導出した.これは未知定数を含む積分制約条件付きの半線形楕円型方程式である.しかし,この方程式の解の構造はほとんど分かっていなかった.未知定数と積分制約条件をいかに処理すればよいか分からなかったからである.本論文では,積分制約条件を無視し,候補となる解をすべて間接的ながらすべて詳細に表示し,その中から解を求めるという,全く新しい方法を提案しそれを実行した.その結果,空間1次元の場合にはほぼ完全な解答を与えた.様々なパラメータを動かしたとき,解の構造がどのようであり解の形状がどのように変化していくかという,大域的な構造を解明した.古典的な楕円関数論と現代的な計算機の数式処理能力を有効に融合した、独創的かつ画期的な研究である. 小杉博士・森田教授との共同研究成果について説明する.超伝導現象を記述する,周期境界条件のもとでのGinzburg-Landau equationの定常解の大域的分岐構造を完全に解明したものである.この問題は、基本的で重要な問題であるにもかかわらず、従来は局所分岐理論を応用した局所的な分岐の存在が分かっていただけで、大域的な分岐構造の解明は不可能と思われていた。この論文においては、問題を未知の定積分項をもつ非局所非線形境界値問題に帰着し、それをさらに完全楕円積分を2重に含む超越方程式に帰着し、同時にすべての解を楕円関数を用いて書き下ろした。これをもとに、解の大域構造を明らかにし、数学的な厳密な証明を与えた画期的な論文である.さらに,状況がさらに複雑な磁場を含む場合も,大域構造完全解明し,論文投稿中である. 国府教授,二宮助教授は,各人の興味にしたがい研究をすすめている.上で得られた研究成果の彼らの研究への応用について検討中である.
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