研究課題/領域番号 |
15540229
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上野 宗孝 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30242019)
|
研究分担者 |
中村 正人 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙科学共通基礎研究系, 教授 (20227937)
佐藤 毅彦 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10297632)
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70292844)
|
キーワード | 赤外線検出器 / 飛翔体観測装置 / 金星 / 黄道光 / 放射線耐性 / PtSi / CCD |
研究概要 |
本研究の目的は、1〜2μm帯の近赤外線波長領域において飛翔体に搭載し、太陽系黄道光および宇宙背景光輻射の測定を可能とする検出器を開発することにある。PLANET-C/VCOに搭載される赤外線カメラには、1〜2μm帯で優れた感度と、大きなフォーマットサイズ、画質の良好性から三菱電機により開発されたPtSi型検出器を用いる。この検出器は三菱電機により開発され、上野らによって天文観測への応用がなされた実績を持つものの改良型である。しかし宇宙背景放射などの超微弱光の測定に用いる場合、熱雑音を抑制するため、通常のCCDの最適駆動温度よりも低い温度(60K程度)で動作させる必要がある。このような低い動作温度帯は電荷転送効率の低下が無視できない温度領域である。本研究では、上記の問題に焦点を当て、低温下での赤外線CCD回路の特性、特に電荷転送効率及び読出ノイズの特性について問題点を洗い出し、CCD回路設計の最適化へ反映させ、実際にPLANET-C/VCOに搭載して黄道光や宇宙背景放射の観測を行うことの可能な検出器を開発することを目的としている。 本年度は低温におけるCCDの転送効率を測定する目的でPtsi検出器を温度コントロール下で完全にダークな条件に封入し、放射線医学総合研究所のHIMAC陽子加速器、および放射線総合研究所のガンマ線照射装置を用いて放射線被爆を起こさせ(30Krad程度まで)たサンプルを作成し、このサンプルデバイスに光学的なピンホール像を結像させ、その光学特性を評価することにより低温下・小電荷環境下における電荷転送効率およびその悪化を、温度条件・駆動電圧条件などを変えながら系統的に測定した。この結果から、駆動条件を放射線被曝量にあわせて制御することにより、科学的な観測上の目的を満たす特性を評価するデータを得た。この結果は2004年3月に開催された日本天文学会春季年会で報告を行った。
|