研究課題/領域番号 |
15540230
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牧野 淳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50229340)
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研究分担者 |
船渡 陽子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80292720)
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キーワード | 並列アルゴリズム / 専用計算機 / 恒星系力学 / 暴走的合体 / ブラックホール / 力学的摩擦 |
研究概要 |
今年度の主な成果は並列型GRAPEクラスタシステムで効率良く動作する新しいアルゴリズムを実現したことである。従来使われていたアルゴリズムは基本的に並列システムを1次元的なネットワークとして利用するものである。このアルゴリズムでは、効率良く利用できるプロセッサ数が、粒子数Nのオーダーにとどまるという問題があった。さらに、比例係数が通信速度と計算速度の比に比例するので、GRAPEを使って高速になると使えるプロセッサ数が小さくなり、結局実現できる性能自体は上がらなくなっていた。今回は、プロセッサを2次元的なネットワークとして利用することで、使えるプロセッサ数を粒子数の2乗のオーダーにするアルゴリズムを開発した。これにより。これにより、複数の小規模なGRAPE-6を持つノードからなる並列GRAPE-6クラスタで、大規模なGRAPE-6を持つ単独ノードのシステムに比べて高い実効性能を出すことができることを確認した。 星団進化については、暴走的成長をし、その結果ブラックホールができた星団の残骸と解釈できる星の集団が観測的に発見されたので、そのようなものが形成可能であるかどうかに着目してシミュレーションを行っている。これは、そのような過程で形成された中間質量ブラックホールが親銀河の中心ブラックホールに合体できるかという観点から重要である。ここでは、星団の内部構造の進化と、親銀河のポテンシャルと力学的摩擦の効果による軌道進化がどのように競合するかが問題となる。従来の研究では、力学的摩擦は遅く、また星団が親銀河の星を排除してしまうと進化が止まるので合体は難しいと考えられていた。力学的摩擦に関しては、従来考えられていなかった星団から蒸発した粒子との相互作用のために古典的な表式よりも進化が速くなることを見いだした。
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