研究概要 |
銀河中心方向の銀経0.5度、銀緯+9.5度に位置するへびつかい座銀河団は、ペルセウス座銀河団に次いで全天で2番目に明るいX線銀河団であるにもかかわらず、その天球上の位置からして、殆ど光・赤外域で観測が殆どなされていなかった。 この銀河団はそのX線luminosityは150Mpc以内の近距離銀河団の中でも、際立って明るく、従って巨大な銀河団であることが推定されていた。 本研究では、この銀河団の中心域約500平方度について、アングロ・オーストラリア天文台の6dF多天体分光器を用いて分光観測を行い、以下のことが解明できた。 1)銀河団の後退速度、速度分散は9056km/s、1020k/sであり、巨大銀河だんであることが確認出来た。 2)この銀河団を中心に半径約4度以内に4-5個の銀河団が付随しており、へびつかい座「超銀河団」を形成していることが判明した。 3)この銀河団からヘラクレス座超銀河団に向かって、長さ40度(100Mpc)のウオールが伸びていることを見出した。 4)南アフリカのサザーランド天文台での銀河団中心域1.1平方度について、J, H, Kバンドでのdeepな撮像観測を行い、多くの銀河を新たに発見した。
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