平成16年4月と平成17年2月に、すばる望遠鏡の共同利用時間枠内で、京都三次元分光器第2号機(3D II)を搭載しての、面分光モードを用いたライナー観測を行なうことができた。現在、解析・論文執筆をすすめている。なお、この装置をより効率的に使用するために、透過率のより高いコリメータレンズを購入した。また、装置についての論文や、これを用いて観測した衝突銀河についての論文を発表することにより、天文学のコミュニティーへの装置のアピールもすすめることができた。旅費を使用した英国グラスゴーでの国際研究会での発表は装置についてのものであった。グループ外のさまざまな分野の研究者とも共同研究がすすみつつあり、装置の特徴を活かした観測時間申請がそのような研究者を主研究者としても提出され、実際にも観測まで成功するなどしている。世界的にも、3D IIが大望遠鏡で活躍している面分光装置として認識され、来年度の7月に英国ダーラムで行われる国際ワークショップIntegral Field Spectroscopy : techniques and data production(面分光:技術とデータ解析)の科学組織委員の一人に選ばれた。このワークショップは、大望遠鏡で実績をあげた面分光装置関連研究者を世界中から網羅して集め、次の30-100メートル望遠鏡時代への基礎作りをすることを目的としたものである。3D IIでの経験も充分にアピールしたいと考えている。
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