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2003 年度 実績報告書

近傍のわい小銀河と我々の銀河ハローの恒星の高分散分光による比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540236
研究機関大阪教育大学

研究代表者

定金 晃三  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20110794)

キーワードわい小銀河 / 銀河の化学進化 / 高分散分光観測 / 惑星を持つ星 / 化学特異星 / 化学組成解析
研究概要

平成14年にすばる望遠鏡とHDS分光器を用いて観測した、こぐま座わい小銀河(UMi dSph)の赤色巨星3個と銀河系の金属欠乏星の高分散スペクトルの解析を終了し、論文を執筆した。こぐま座わい小銀河の星の数は少ないが、我々の銀河系の星には見られないいくつかの特徴を検出した。平成16年度前期のすばる望遠鏡の観測時間に応募し、幸い採択されたので、さらに観測を継続し研究を発展させることを計画している。平成14年度には、すばる望遠鏡を用いて惑星を持つ恒星多数の高分散スペクトルの観測も行った。その中で、実視連星系をなす星HD 219542 AおよびBの詳細な比較研究を行い、明るい星(A)は暗い星(B)に比べて僅かながら明らかに金属量が多いことを見出した。このことは、星Aの周りに形成された惑星の一部または原始惑星系円盤の残骸が星Aに落下したことを示すものかも知れない。惑星を持つ星HD 49674においては、凝結温度の低い元素(炭素、酸素)の組成が、凝結温度の高い元素(チタン、カンジウム等)に比べて有意に低いことも見出した。このことは惑星物質が星の表面に降着したことを示唆するものとして注目される。ヨーロッパ南天文台(ESO)で観測された磁場の強い化学特異星HR 5049の可視高分散スペクトルの解析を行って、この星が非常に特異な表面化学組成をもつことを明らかにした。他の化学特異星の組成解析の結果と総合して、希土類元素ネオジニウム(Nd)とプラセオジミウム(Pr)の組成比の値が星の表面温度と強い相関を示すことを発見した。この事実は化学特異星の表面で起きている現象を解きほぐす手がかりを与えている可能性があり、今後も研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Sadakane, et al.: "A Differential Abundance Analysis of the Wide Binary Pair HD 219542 A and B"PASJ. 55. 1005-1016 (2003)

  • [文献書誌] Buttcher M., et al.: "Coordinated Multiwavelength Observations of BL Lacertae in 2000"ApJ. 596. 847-859 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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