2005年5月の観測に継続して、2006年1月にすばる望遠鏡と高分散分光器(HDS)を利用して、系外矮小銀河Sextansの分光観測を行った。今回は残念ながら天候に恵まれず、良質のデータは得られなかった。2005年5月に得られたスペクトルデータの解析を行い、Sextans15-19という17.5等級の赤色巨星は金属量が[Fe/H]=-2.75と非常低く、同時にバリウム(Ba)の組成が我々の銀河系の金属欠乏星に比べて異常に高いことを発見した。これは、この矮小銀河の進化が特異であったことを示唆しており、他の数個の星について2006年度中に確認観測を行うことを計画中である。すばる望遠鏡を用いて観測する侯補天体を探すため、ヨーロッパとアメリカの研究者との共同研究も進行中である。 2005年度には大阪教育大学の50cm望遠鏡を用いて、ブレーザー3C454.3の2005年5月に起きた大規模なバースト現象の追跡観測なども行った。
|