研究課題
基盤研究(C)
(1)原始惑星系円盤中のダストの沈殿・成長が及ぼす円盤の力学構造への影響:惑星形成の母体となる原始惑星系円盤内の物質(ガス・ダスト)分布は、惑星形成過程の初期条件を決定する。その原始惑星系円盤からどのような惑星系が誕生するのかに決定的影響を及ぼす。太陽系とその他の系外惑星系との特徴の違いはこの初期条件の違いが重要な影響を及ぼしたものと考えられる。昨年初年度の研究では、原始惑星系円盤内の乱流がどのような物質分布をもたらすのかを数値シミュレーションによって調べた。現太陽系の惑星分布から推測されたガス・ダスト分布の標準モデルが存在するが、さまざまな初期状態から始めた数値シミュレーションはいずれもこの標準モデルよりもなだらかな物質分布をもたらすことが明らかになった。今年度は、円盤中のダストの沈殿・成長が乱流の維持や終息にどのような影響を及ぼすのか、この点について集中的に研究を行った。その結果、ダスト成長は、熱対流に対しては数万年ぐらいでこれを安定化すること、磁気回転不安定性に対してはこれを維持するが、円盤の一部(1AUから10AUあたりの赤道面付近)においては10万年ほど経過しても安定性が維持されることなどが明らかになった。また、ダストの沈殿・成長が水素スペクトル輝線や熱輻射スペクトルに及ぼす影響なども調べた。今後も本研究を継続し、多様な惑星系の起源の解明を進めていくつもりである。(2)二重星の周りを公転する微惑星の集積について:銀河内の恒星の大半は連星系をなしている。したがって、このような連星系も惑星を伴って誕生したと考えるのは自然であろう。今後、連星を巡る惑星の発見も期待される。そこで、二重星の周りを公転する微惑星の集積について研究を行った。このような微惑星は二重星の摂動により一般に大きなランダム速度を持つため、衝突後の速度が脱出速度を越えて合体が不可能になる可能性がある。二重星の周りの微惑星の公転運動を数値計算してランダム速度を大きさを見積もり、微惑星の集積可能な領域を明らかにした。
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