研究概要 |
1.超強磁場中性子星の熱的進化 磁場の散逸を考慮にいれ、超強磁場中性子星の熱進化を調べた。特に、磁揚の散逸が中性子星の表面温度に与える影響を調べた。Soft Gamma Repeater (SGR)およびAnomalous X-ray Pulsar (AXP)から観測されている定常X線の温度を説明するためには磁場の散逸はアウタークラストで起こり、かつその全加熱エネルギーは10^<49>-10^<50>ergという莫大な量になることが分かった。 2.SGR 1806-20の巨大アウトーバースト 2004年12月8日、GEOTAIL衛星により、SGR1806-20かち大爆発の結果と思える多量のソフトγ線が観測された。私たちは相対論的なスピードで動くジェットからの放射を考え、光度曲線を再現することに成功した。ジェットモデルと観測との比較から、ジェットの開き角は0.2radian以下という制限をつけることができた。また、ジェットのコリメーションを考慮すると、総放射エネルギーは6×10^<46>ergsとなることも明らかとなった。 3.4U 0142+61におけるグリッチとパルスプロファイルの変化 私たちは、1999年、ASCA衛星によって得られたデータを用いて、4UO142+61のパルス周期の時系列解析を行った。そしてASCA衛星の結果をRXTE衛星の結果と比べることから、ASCA衛星の観測以前に、このパルサーではグリッチ(パルス周期の突然のジャンプ)があったことを発見した。グリッチに際してのパルス振動数の増加はΔγ/γ〜10^<-4>,また減速率の増加はΔγ/γ〜10^<-4>であった。これらの値はふつうめパルサーで観測される値と同程度であり、マグネター内部の構造は、ふつうの中性子星とあまり変わらないことが示唆きれる。更に、グリッチと関連していると思われるパルスプロファイルの変化も観測された。磁気圏の変形が原因と考えられる。
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