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2006 年度 実績報告書

重力レンズを用いた位置天文学的手法による銀河系構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540240
研究機関長野工業高等専門学校

研究代表者

大西 浩次  長野工業高等専門学校, 助教授 (20290744)

研究分担者 福島 登志夫  国立天文台, 天文情報センター, 教授 (70231735)
キーワード重力レンズ / 位置天文学 / マイクロレンズ / マクロな重力レンズ / 銀河系 / 銀河系中心 / Sgr A* / 多胡イベント
研究概要

・位置天文学的重力マイクロレンズ(重カレンズ効果による位置のずれ)や光学的重力マイクロレンズ観測は、銀河系の構造研究に有効な観測手法である。
・銀河系中心方向の星の集団によるマクロな位置重力レンズ効果
銀河系中心方向を通して見える複数のクエーサーは、銀河系中心方向の星の集団(銀河バルジおよび、銀河核バルジ)の重力によるマクロな位置重力レンズ効果を受けている。銀河回転による銀河中心天体Sgr A*の見かけの固有運動は6ミリ秒角/年であり、このときのSgr A*近傍のクエーサーの位置重力レンズ効果は1マイクロ秒角/年オーダーになる。これらの観測より、銀河バルジと銀河核バルジの質量分布を知ること、ダークマター分布への制限がつくことを示し、論文を製作中である。あわせて、これらを銀河系のマッピングの国際会議("Mapping the Galaxy and Near by Galaxies"June,2006 Ishigaki island, Okinawa, Japan)にてその成果を発表した(集録論文は印刷中)。
・初めての近傍の星の重力マイクロレンズ現象(多胡イベント)について
平成18年(2006年)10月31日、アマチュア天文家多胡昭彦氏によって発見されたカシオペヤ座の変光天体Var Cas O6が、マイクロレンズ現象であることに気づき、日本の研究者を中心に取りまとめ、近傍の星によるはじめての重力マイクロレンズの発見の論文を製作、投稿中である。近傍の星での重力マイクロレンズ現象の確率は極めて小さく(通常モデルでは1000年に1度)、この現象は、銀河系のdiskモデルが異なっている可能性を示唆する。現在、この重力レンズ天体を明らかにする観測計画を検討するとともに、通常のモデルと異なっている場合の位置天文学的重力マイクロレンズ現象の現れ方、観測的分離の可能性を検討している。多胡イベントの研究は、「重力レンズを用いた位置天文学的手法による銀河系構造の研究」の新しい発展を見せることと期待できる。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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